今、家賃を上げてもいい?データで見る“値上げタイミング”と対応法
不動産・相続について勉強中の、ワンダーランドMAIMAIです。
2025年現在、日本の賃貸住宅市場では家賃の上昇傾向が続いています。
首都圏や政令指定都市を中心に、賃料が過去最高水準に達しているというニュースも珍しくありません。
例えば、LIFULL HOME’Sやアットホームが発表した最新の調査結果によれば、東京23区や大阪市、福岡市などでは、シングル・ファミリー向けいずれの物件タイプにおいても、募集賃料が前年同月比で上昇し、過去最高値を更新しているエリアが多数あると報告されています。
こうした状況を踏まえ、多くの賃貸不動産オーナー様から「今、家賃を上げてもいいのか?」というご相談をいただきます。
確かに、家賃収入を最大化するチャンスがある一方で、値上げによって入居者が退去してしまうリスクも伴います。
今回は、最新の市場データをもとに、家賃を見直すタイミングと、その際の対応方法について詳しく解説します。
1. 家賃が上がっているのはなぜ?
まず、現在の賃貸住宅市場における家賃上昇の背景について整理しておきましょう。
ひとつには、物価全体の上昇があります。
食品やエネルギーを中心に生活コストが上がる中、建材費や人件費の高騰により、新築住宅の供給価格が上昇。
その影響が中古住宅市場、そして賃貸住宅市場にも波及しています。
加えて、都市部では依然として賃貸住宅の需要が堅調です。
特にシングル世帯や高齢者世帯の増加により、ワンルームやコンパクトな2DKタイプの需要が安定しており、物件の供給を上回る需要があるエリアでは自然と賃料も上昇しています。
このように、現在の家賃上昇は一時的な異常ではなく、一定の経済的背景に裏付けられたものといえるでしょう。
2. 家賃見直しのタイミングとは?
では、オーナーが家賃を見直すべき「タイミング」とはいつでしょうか?
もっとも一般的なのは、入居者が退去した後の新規募集時です。
現入居者が住んでいる間に賃料を変更することは原則としてできませんが、退去後であれば新たな募集条件として自由に設定することができます。
そのため、築年数や設備の状態、近隣の相場と照らし合わせて、タイミングよく家賃を見直すことが重要です。
また、契約更新時に家賃改定を検討することも可能です。
賃貸借契約の期間が満了する更新時には、家賃改定の申し入れができます。
ただし、この場合には「正当な理由」が求められます。
例えば、近隣相場の上昇、建物や設備の改善、固定資産税や管理費などのコスト上昇などがそれにあたります。
加えて、入居者に対しては十分な説明と誠意ある対応が必要です。
家賃が上がることで生活費に影響が出るため、値上げ理由が合理的であることを丁寧に伝えることが、信頼関係を保ちつつ賃料改定を成功させる鍵となります。
3. 値上げトラブルを防ぐために
最近では、外国人オーナーが日本の賃貸物件を取得し、入居者に十分な説明もなく家賃を大幅に引き上げた結果、トラブルになるケースが報じられています。
中でも、中国人オーナーが購入した都内の物件で、いきなり数万円の賃料引き上げを通告し、借主との間で大きな混乱が生じたというニュースが話題になりました。
このような事例は特殊とはいえ、オーナーが一方的に条件を変えることへの不信感を助長しかねません。
だからこそ、長期的な安定経営を目指す日本人オーナーの皆さまには、正当性のある形での家賃改定を意識していただきたいのです。
改定を成功させるポイントは、「準備」と「説明」です。
市場相場をしっかりと調査したうえで、入居者にとっても納得のいく説明ができれば、家賃の見直しは決して“悪いこと”ではありません。
むしろ、物件の価値を適切に評価し、持続可能な賃貸経営を続けるためには必要なことなのです。
4. 納得される家賃改定の実務ポイント
では、実際に家賃改定を行う際には、どのような準備や対応が求められるのでしょうか。
第一に、市場相場との比較です。
近隣の同タイプ・同築年数・同設備の物件と自分の物件を比べ、家賃が低すぎないか、高すぎないかを把握することが重要です。
ポータルサイトなどを活用して、相場観を掴みましょう。
次に、物件の改善履歴や管理状況を整理しておくことも大切です。
たとえば、「最近外壁塗装を行った」「エアコンを新品に交換した」「宅配ボックスを設置した」といったプラス要素があれば、それを根拠に「家賃アップの理由」として説明することができます。
さらに、家賃改定の通知は更新の2カ月前には行うのが望ましいとされています。
口頭だけでなく、書面またはメールで正式な案内を行い、「このような理由で賃料を見直させていただきます」という丁寧な言葉遣いを心がけましょう。
なお、更新時に値上げを申し入れても、借主の合意が得られなければ改定は成立しません。
借地借家法では、賃料の改定は当事者間の合意によるものとされており、合意がないまま強行することはできません。
だからこそ、日頃からの信頼関係の構築が何よりも重要なのです。
5. まとめ
家賃を見直すという行為は、単なる値上げではなく、「物件の価値を見直し、適切に評価する」という行為でもあります。
市場が好調な今だからこそ、収益性の向上を図る好機ではありますが、慎重さも求められます。
入居者の立場に立った説明と、根拠ある金額設定。
これを両立できるオーナーこそが、長期入居・安定経営を実現できる存在です。
家賃が過去最高水準にある今、あらためて「あなたの物件の価値」を見直してみませんか?
改定のタイミング、方法、伝え方。
すべてにおいて“丁寧さ”が求められる時代です。少しの工夫と準備が、将来の安心につながります。
不動産経営に関するご相談がある方や、不動産相続でお困りの方、賃貸物件をお探しの方も、お気軽にワンダーランドにご相談ください。
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