急増するリースバック~市場拡大の背景とトラブル事例~
毎日ハッピーに邁進!なんば大国町の不動産エージェント☆おりちゃん☆です。
近年、不動産業界で急速に広がっているサービスの一つが「リースバック」です。
テレビCMやインターネット広告でも見かける機会が増え、「自宅を売却して現金を得ながら、そのまま住み続けられる」という点が強調されています。
特に高齢者層を中心に利用が広がっており、住宅を活用した資金調達手段として一定の注目を集めています。
一方で、契約内容を十分理解しないまま利用した結果、トラブルになるケースも増えており、消費者庁や国民生活センターも注意喚起を行っています。
今回は、リースバックが広がっている背景、実際に起きているトラブル事例について整理してみたいと思います。
リースバック市場が拡大している背景
リースバックの利用が増えている背景には、日本特有の人口構造があります。
日本では高齢者世帯の多くが持ち家に住んでおり、金融資産よりも不動産資産を多く保有している傾向があります。
一方で、高齢化の進行とともに、
・年金収入だけでは生活費が不足する
・医療費や介護費用が増える
・子どもに迷惑をかけたくない
といった理由から、住宅を資金化したいというニーズが高まっています。
しかし通常の不動産売却では、売却後に別の住居へ引っ越す必要があります。
そのため、「住み慣れた家に住み続けたい」という高齢者にとっては心理的なハードルが高いという問題がありました。
リースバックは、この問題を解決する手段として広がり始めたと言えます。
リースバックの仕組み
リースバックとは、自宅を不動産会社などに売却した後、その住宅を賃貸として借りて住み続ける仕組みです。
一般的な流れは次のようになります。
①自宅を不動産会社や投資会社に売却
②売却代金を一括で受け取る
③売却後は賃貸契約を結び、家賃を払いながら住み続ける
つまり、所有者として住む状態から、賃借人として住む状態に変わるということになります。
売却によってまとまった資金を得られるため、老後の生活資金や住宅ローンの完済、事業資金、相続対策などを目的に利用されるケースがあります。
また、引っ越しをする必要がないため、生活環境を変えずに資金を確保できる点が利用者にとっての大きなメリットとされています。
リースバックで起きやすいトラブル
リースバックは便利な仕組みに見えますが、契約内容を十分理解していないとトラブルになることもあります。ここでは代表的な事例を紹介します。
① 相場より安い価格で売却してしまう
リースバックの場合、売却価格は通常の不動産売却より低くなる傾向があります。
これは、買主が住宅として住む目的ではなく、賃貸収益を目的とした投資物件として購入するためです。
そのため、不動産会社や投資会社は、将来の家賃収入、物件管理リスク、空室リスクなどを考慮して価格を決めます。
結果として、一般的には市場価格の7割〜8割程度での売却になるケースも少なくありません。
相場を十分に確認せずに契約してしまうと、「通常の売却ならもっと高く売れたのではないか」と後から感じるケースもあります。
② 家賃負担が想定より重くなる
売却後は当然ながら家賃を支払う必要があります。
この家賃は、売却価格を基準にした利回り計算で決まることが多く、一般的には売却価格の7%〜13%程度の利回りになるよう設定されることがあります。
例えば、売却価格が2,000万円で利回り10%の場合、
年間家賃は200万円
月額では約16万円になります。
最初は問題なく支払えていても、収入減少、年金生活への移行、物価上昇などの影響で、家賃負担が重くなるケースがあります。
③ 契約更新できず退去になる可能性
リースバックの賃貸契約では、定期借家契約が採用されていることがあります。
定期借家契約は、契約期間満了時に自動更新されるわけではありません。
そのため、契約終了時に貸主が更新を希望しなければ、退去を求められる可能性があります。
利用者の中には「ずっと住み続けられると思っていた」と認識している人も多く、この点がトラブルになることがあります。
④ 買い戻しができないケース
リースバックの広告では、「将来買い戻すことも可能」と説明される場合があります。
しかし実際には、
・買戻価格が売却価格より高く設定されている
・期限が決められている
・資金調達ができない
といった理由で、買戻しが実現できないケースもあります。
そのため、買戻しを前提に利用する場合は、契約書で条件をしっかり確認する必要があります。
まとめ
リースバックは、自宅を売却することでまとまった資金を確保しつつ、これまでと変わらず同じ住まいに住み続けることができるという点で、有効な資金調達手段の一つといえます。
ただし一方で、売却価格が相場より低くなったり、その後に支払う家賃の負担が重くなったり、契約内容によっては不利な条件を受け入れてしまう可能性もあります。
不動産は多くの人にとって人生で最も大きな資産です。
目先の資金確保だけでなく、売却後の生活や契約条件までしっかりと見据えたうえで、慎重に判断することが大切です。
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