大阪の賃貸市場に変化が起きている。空室が出たとき、適正な家賃で募集できていますか?
不動産・相続について勉強中の、ワンダーランドMAIMAIです。
2026年の賃貸市場では、全国的に家賃の上昇傾向が続いています。大阪市内でも、特に利便性の高いエリアでは、募集が出るとすぐに申込みが入るケースが増えてきました。
ただし、大阪の賃貸事情には一つ大切な特徴があります。
関東では2年ごとの更新のタイミングで賃料を見直す慣行がありますが、大阪では更新料を取らない普通借家が主流で、更新時に賃料を改定するという文化が根付いていません。
そのため大阪では、入居者が退去するまで同じ賃料が続くことが多く、「空室が出たとき」が実質的に賃料を見直せるほぼ唯一のタイミングになります。
今回は、こうした大阪ならではの事情を踏まえながら、賃貸経営の安定に向けた視点を整理してみたいと思います。
1. 大阪の賃貸市場、今どうなっているのか
2026年の大阪の賃貸市場は、全体的に需要が底堅い状況が続いています。
近畿圏の中古マンション成約件数は前年比で増加しており、家賃相場も上昇傾向にあります。
大阪市内の単身者向けの募集家賃は前年比で上昇しており、ファミリー向けでは2桁台の上昇が見られるエリアもあります。
背景には、新築マンション価格の高騰があります。
購入に踏み切れない層が賃貸市場に留まり続けており、特にファミリー向けの賃貸住宅は供給が限られているため、需給が引き締まっています。
また、建築費の高騰で新築賃貸物件の供給も鈍化しており、既存の賃貸物件への需要が相対的に高まっています。
条件の良い物件にとっては、追い風と言える状況です。
2. 大阪では賃料を途中で上げにくい理由
関東の賃貸市場では、2年ごとの更新のタイミングで更新料が発生し、そのタイミングで賃料を見直すという慣行が生まれやすい環境があります。
一方、大阪では更新料を取らない普通借家が主流です。
契約は自動更新が基本で、更新というイベントが賃料改定のきっかけとして機能しにくい文化があります。
法律上は賃料増額請求の制度はありますが、入居者が合意しなければ現行賃料での支払いを続けることができます。
合意が得られない場合は調停・裁判という流れになり、現実的なハードルは非常に高くなります。
そのため大阪では、長年にわたって同じ賃料が続き、気づけば周辺相場と大きく乖離していた、というケースが起きやすい構造になっています。
なお、定期借家契約を使えば、契約期間の満了時に確実に賃料を見直す機会を設けることができます。
ただし大阪では居住用の定期借家はまだ少なく、普通借家が大半を占めているのが現状です。
3. 長期入居者の賃料——据え置くことの意味
「長期入居の方の賃料が周辺相場よりずいぶん低くなってしまっている」というご相談を受けることがあります。
大阪では賃料の途中改定が難しいため、10年・15年と同じ賃料が続いているケースは珍しくありません。
相場が上がれば上がるほど、その乖離は広がっていきます。
ただ、長期入居者には別の価値もあります。
空室リスクがない、家賃滞納リスクが低い、物件への愛着があり丁寧に使ってくれている、退去後のリフォーム費用が膨らみにくい——こうした安定の恩恵は、数字には出にくいものの決して小さくありません。
「相場より安い賃料」をどう捉えるかは一概には言えません。
長期的な安定と収益の最大化、どちらを重視するかはオーナーの経営方針によって変わります。
大切なのは、現状を把握した上で意識的に選択していることです。
4. 「空室が出たとき」が賃料を見直す唯一の機会
大阪の賃貸市場において、賃料を適正化できる最も現実的なタイミングは「退去が発生したとき」です。
退去が出ると、多くのオーナーは「早く次の入居者を決めなければ」という焦りから、以前と同じ賃料でそのまま募集してしまうことがあります。
しかしこのタイミングこそが、「市場に合った賃料を設定できる大切な機会」です。
募集前に周辺相場をしっかり調べ、同条件の物件と比較した上で賃料を設定することが、長期的な収益の安定につながります。
相場より低く設定してしまうと、その賃料が次の退去まで長期にわたって続く可能性があります。
逆に高すぎると空室が長引きます。
「焦って安く出さない」ための準備として、日頃から周辺相場を把握しておくことが重要です。
5. 物件の「二極化」が進んでいる
今の大阪の賃貸市場では、物件の条件によって明暗が分かれる「二極化」が進んでいます。
需要が強いのは、御堂筋線・谷町線・四つ橋線などの主要路線へのアクセスが良いエリア、設備が整った物件、築年数が比較的浅い物件です。
こうした物件は空室が出てもすぐに申込みが入るケースが増えています。
一方で、駅から遠い・設備が古い・築年数が経過した物件は、依然として空室に悩むケースが多くなっています。
市場全体が上向いているからこそ、条件の差が浮き彫りになりやすい時期でもあります。
入居者は今、ポータルサイトで複数の物件を比較しながら選ぶのが当たり前です。
「他の物件と比べて選んでもらえるか」という視点で、自分の物件を客観的に見ることが大切になっています。
6. 今できることから始める
「うちの物件は今、相場と比べてどうなのか」を把握することが、まず最初の一歩になります。
不動産ポータルサイトで、自分の物件と条件が近い周辺物件の募集賃料を確認するだけでも、相場感はつかめます。
もし大きな乖離があれば、次の退去が出たときの募集賃料設定の参考になります。
また、設備の見直しも検討に値します。
宅配ボックス・オートロック・高速インターネット回線など、入居者が「あって当たり前」と感じる設備が整っているかどうかは、募集力に直結します。
すべてを一度に整える必要はありません。
次の退去後のリフォームに合わせて、優先順位をつけて改善していくことが現実的です。
7. まとめ
2026年の大阪賃貸市場は、全体的に需要が底堅く、条件の良い物件には追い風が吹いています。
ただし大阪では、更新料なし普通借家が主流で、賃料を途中で改定することが難しいという地域特性があります。
だからこそ「退去が出たとき」という機会を最大限に活かすことが、大阪の賃貸オーナーにとって特に重要な戦略になります。
今の市場環境を「物件を見直すきっかけ」として活かしていただければと思います。
不動産経営に関するご相談がある方や、不動産相続でお困りの方、賃貸物件・駐車場をお探しの方も、お気軽にワンダーランドにご相談ください。
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