【後編】滞納が起きたとき、オーナーはどう動くべきか~長期滞納の対処と事前の備え~
不動産・相続について勉強中の、ワンダーランドMAIMAIです。
前編では、家賃滞納が発生したときの初動対応と、管理会社・家賃保証会社の役割を整理しました。
今回は、滞納が長期化した場合の法的手続きの流れと、そもそも滞納リスクを下げるための事前の備えをお伝えします。
【前編】はこちら→https://0120720901.com/contents/2074
1. 滞納が長期化したら
督促を続けても家賃が支払われず、話し合いでの解決も難しい状況になった場合、法的手続きへの移行を検討することになります。
一般的な法的手続きの流れは次のとおりです。
【内容証明郵便による催告】
支払いを求める内容証明郵便を送り、一定期間内に支払いがなければ契約を解除する旨を通知します。
【賃貸借契約の解除通知】
催告期間を過ぎても支払いがない場合、契約解除の通知を行います。
ただし、単に家賃を滞納しただけでは直ちに解除できない場合もあり、「信頼関係の破壊」があるかどうかが判断の基準となります。
一般的には3ヶ月以上の滞納が継続している場合に解除が認められやすいとされています。
【建物明け渡し請求訴訟】
契約解除後も入居者が退去しない場合、裁判所に明け渡しを求める訴訟を提起します。
【強制執行】
判決が確定した後も退去しない場合、裁判所の執行官が現場に赴いて強制的に明け渡しを行います。
この全体のプロセスには、半年〜1年以上かかることもあります。
その間も費用と時間がかかるため、早期解決を目指すことが重要です。
2. 契約解除と明け渡し請求
賃貸借契約の解除は、法律上の要件を満たす必要があります。
単に「家賃を滞納しているから即解除」とはなりません。
日本の法律では、借主(入居者)の権利が手厚く保護されています。
裁判所は「信頼関係が壊れているか」という観点で判断を行います。
こうした法的手続きは専門的な知識が必要なため、弁護士や管理会社と連携しながら進めることが不可欠です。
オーナーが独断で判断・行動すると、かえって問題が複雑になることがあります。
3. 強制執行——最終手段としての手続き
裁判所の判決が確定した後も入居者が退去しない場合、強制執行の手続きに移ります。
強制執行では、裁判所の執行官が現場に赴き、荷物の搬出などを行って物件の明け渡しを完了させます。
搬出業者の手配費用などはオーナーが立て替える必要があり、後から入居者に請求することになります。
費用・時間ともに大きな負担となるため、強制執行にまで至らないよう、早い段階での対応と、管理会社・保証会社との連携が重要です。
なお、2026年1月には東京都杉並区で、家賃保証会社の社員が強制執行の現場で刺される事件が発生し、社会的に大きな注目を集めました。
強制執行の現場がいかに緊張を伴うものであるかを示す事件でした。
だからこそ、最終局面に至る前に問題を解決することが、双方にとって望ましいと感じます。
4. 滞納を防ぐための事前の備え
滞納問題への最善の対策は、「そもそも滞納が起きにくい環境をつくること」です。
【家賃保証会社への加入を条件にする】
新規契約時に家賃保証会社への加入を条件にすることで、万が一の滞納に備えられます。
また、保証会社が事前に審査を行うため、滞納リスクの高い入居者を事前にスクリーニングできるという効果もあります。
【収納代行(自動引き落とし)を設定する】
入居者が毎月自分で振り込む方式より、収納代行による自動引き落としの方が安心です。
引き落としができなかった時点で保証会社が自動的に把握し、督促・代位弁済の手続きが始まります。
振込方式では「滞納に気づいてから保証会社へ報告する」という手順が必要で、報告が遅れると保証対象外になるリスクがあります。
収納代行にしておくことで、そうした報告漏れのリスクもなくなります。
【早期の督促ルールを管理会社と確認しておく】
滞納が発生した場合にどのタイミングで連絡するか、どのような手順で対応するかを管理会社と事前に取り決めておくことで、初動が速くなります。
特に振込方式の場合は「何日入金がなければ報告する」というルールを明確にしておくことが重要です。
5. 入居者の選定が最大のリスクヘッジ
滞納リスクを下げる上で最も重要なのは、入居審査の段階での慎重な判断です。
収入・雇用状況・勤続年数・過去の家賃支払い歴(保証会社のデータベースで確認できる場合もあります)などを確認し、支払い能力を総合的に判断することが大切です。
「空室を早く埋めたい」という焦りから審査を甘くすると、後の滞納トラブルで大きな損失が出ることがあります。
短期的な空室損失と、長期的な滞納リスクを天秤にかけた上で、慎重に判断することが重要です。
6. オーナーが知っておくべき「自力救済の禁止」
最後に、改めて確認しておきたい重要なことがあります。
滞納が続いていても、オーナーが自ら鍵を交換したり、荷物を撤去したり、入室を妨害したりすることは法律上禁止されています(自力救済の禁止)。
こうした行為を行った場合、オーナーが不法行為として訴えられるリスクがあります。
どれだけ腹立たしい状況であっても、法的な手順を守ることが、最終的には自分を守ることにつながります。
感情的にならず、管理会社・保証会社・弁護士と連携しながら対応することが、滞納問題の正しい対処法です。
「滞納が起きていて、どう動けばいいか分からない」という方は、ぜひ一度ご相談ください。
不動産経営に関するご相談がある方や、不動産相続でお困りの方、賃貸物件・駐車場をお探しの方も、お気軽にワンダーランドにご相談ください。
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