【後編】台風・突風の被害が出たらどう動くか〜保険金請求の流れと日頃の備え~
不動産・相続について勉強中の、ワンダーランドMAIMAIです。
前編では、火災保険の基本的な仕組みと、台風・突風による被害がどの補償に該当するかを整理しました。
今回は「実際に被害が出たらどうすればいいか」という、より実践的な内容をお伝えします。
また、被害を最小限にするための日頃からの備えについても整理します。
【前編】はこちら→https://0120720901.com/contents/2041
1. 被害が出たらまず何をするか
台風や突風の後、物件に被害が出たと分かったら、まずすべきことは保険会社(または代理店)への連絡です。
被害を発見したらすぐに状況を写真で記録し、保険会社に連絡します。
「どんな被害か」「いつ気づいたか」を整理しておくと、スムーズに伝えられます。
被害箇所の修理は、保険会社への連絡と確認の前に進めてしまうと、損害の証明が難しくなる場合があります。
まず連絡し、指示を仰いでから動くことが基本です。
遠方に住んでいるオーナーや、管理会社に委託している場合は、管理会社が初動の確認を行うことになります。
管理会社と「被害が出た場合の連絡フロー」を事前に確認しておくと安心です。
2. 保険金請求に必要なもの
保険金を請求する際に、一般的に必要となるものは次のとおりです。
◎ 被害状況が分かる写真(建物全景・被害箇所・別方向からの複数枚)
◎ 修理業者による見積書(修理費用の根拠として必要)
◎ 保険金請求書(保険会社所定の書類)
◎ 事故内容報告書(被害の日時・状況を記載するもの)
保険会社は原則として、現地に調査員を派遣するのではなく、写真と見積書をもとに保険金を算出します。
そのため、被害状況を正確に伝えられる写真を複数枚撮影しておくことが重要です。
保険金の請求期限は、損害発生から3年とされています(保険法による)。
台風後すぐに請求しなかった場合でも、3年以内であれば請求できます。
ただし、期限を過ぎると請求できなくなるため、気づいた時点で早めに動くことをお勧めします。
3. 修理を先にしてしまった場合でも請求できる
「被害に気づいてすぐ修理してしまったが、保険請求できるだろうか」
というご相談を受けることがあります。
修理後でも、損害発生から3年以内であれば保険金を請求することができます。
ただし、修理後は被害の状態を直接確認することができないため、修理時の請求書・領収書と、できれば修理前の被害状況の写真が必要になります。
「写真を撮る前に修理してしまった」という場合は、保険会社に正直に状況を説明し、修理業者の書類などで補える範囲で対応してもらえるか相談することをお勧めします。
4. 悪質業者に注意——「保険で無料」は要警戒
台風や突風の被害が出た後、「火災保険を使えば修理費用が無料になります」と訪問してくる業者には注意が必要です。
こうした業者の中には、実際には保険の対象にならない損害について「保険が使える」と言って契約させ、後から保険会社に不正請求を行うケースがあります。
結果として保険会社から認められず、修理費用を自己負担しなければならなくなるトラブルが発生しています。
修理業者は、知人の紹介や信頼できる管理会社からの紹介など、実績のある業者に依頼することが安全です。
また、複数社から見積もりを取り、内容を比較した上で判断することも大切です。
保険会社から鑑定人が来る場合は、被害状況を正確に伝えましょう。
5. 日頃からできる備え
台風や突風の被害を最小限にとどめるためには、日頃からの備えが欠かせません。
【定期的な物件の点検】
屋根・外壁・雨樋・ベランダ手すりなどは、経年劣化が進みやすい箇所です。
台風シーズンを前に、管理会社を通じて点検を行い、劣化している箇所は早めに補修しておくことが大切です。
また、定期点検の記録を残しておくことで、「適切に管理されていた建物が台風で被害を受けた」という証明になり、保険金請求の際にも役立ちます。
【被害前の状態の記録】
物件の通常の状態(損傷がない状態)を写真で記録しておくことをお勧めします。
被害前と被害後の比較ができると、損害の証明がスムーズになります。
年に一度、または入居者の入れ替え時などに写真を撮っておくと良いでしょう。
【台風前の共用部の確認】
台風が接近している情報がある場合、共用部の植木鉢・看板・自転車置き場の自転車など、風で飛びやすいものを固定または室内に移動するよう、入居者に呼びかけておくことも被害軽減につながります。
6. 入居者との関係——家財は入居者の保険、建物はオーナーの保険
台風や突風の被害が出たとき、オーナーと入居者の間でよく混乱が生じるのが「どちらの保険が適用されるか」という点です。
基本的な整理は次のとおりです。
◎ 建物(屋根・外壁・共用部・設備など)への被害 → オーナーの火災保険
◎ 入居者の家具・家電・衣類などへの被害 → 入居者の家財保険
例えば、台風で屋根が破損し、そこから雨が浸入して入居者の家財が濡れた場合、屋根の修理はオーナーの保険で対応します。
一方、濡れた家財(家具・衣類など)については、入居者が加入している家財保険で対応することが原則です。
入居者から「家具が濡れた、オーナーが補償してほしい」と言われるケースがありますが、オーナーの建物管理に重大な過失がない限り、基本的にオーナーが入居者の家財を補償する義務はありません。
こうした点を入居時にきちんと説明しておくことが、後のトラブル防止につながります。
また、入居者が火災保険(家財保険)に加入していない場合、こうしたトラブルが生じやすくなります。
賃貸契約時に入居者への火災保険加入を義務付けることが、双方にとって重要な備えになります。
7. まとめ
台風・突風の被害は、いつ・どの物件に起きるか分かりません。
しかし、正しく備えておくことで、被害が出たときでも落ち着いて対応できます。
今の火災保険の補償内容を確認する、物件の定期点検を行う、被害前の状態を写真で記録しておく——こうした日頃の積み重ねが、いざというときの大きな違いになります。
「自分の保険が台風・突風の被害をカバーできているか不安」という方は、ぜひ一度ご相談ください。
▶ 前編「台風・突風から賃貸物件を守る・オーナーが知っておきたい火災保険の基本」
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