定期借家契約って実際どう? メリットと“知らないと危ない”落とし穴
不動産・相続について勉強中の、ワンダーランドMAIMAIです。
「いずれ売却予定の物件だから、長く住まれると困る」
「相続対策として一時的に貸したいだけ」
このような事情を抱えるオーナーにとって、定期借家契約は非常に便利な仕組みに思えるかもしれません。
あらかじめ契約期間を定めて、その期間が終われば自動的に終了する──一見するとオーナーにとって理想的な契約形態のようにも見えます。
しかし、実際に運用してみると、予想外の落とし穴がいくつもあるのがこの定期借家契約という制度です。
1. 定期借家契約とは何か
まず、定期借家契約とは、2000年に導入された比較的新しい契約形態です。
一般的な賃貸契約(普通借家契約)では、契約期間が満了しても、正当な理由がない限り貸主からの更新拒絶はできません。
つまり、原則として入居者は希望すれば契約を継続できる仕組みです。
それに対して定期借家契約は、あらかじめ期間の終わりが決まっており、たとえ入居者が「住み続けたい」と希望しても、原則として契約の延長はできないのが大きな特徴です。
この契約形態は、たとえば3年や5年などの契約期間を設定し、期間満了とともに契約が終了するというものです。
つまり、オーナー側が将来的に物件を使う予定がある場合や、いつまで貸すかを明確にコントロールしたいときには非常に有効な手段となります。
2. オーナーにとってのメリットとは
最大のメリットは、何といっても「契約終了が確定している」ことです。
将来的に自分や親族が住む予定がある物件や、売却・建て替えを見据えて一時的に貸すような場合、普通借家契約では入居者の退去をめぐってトラブルになるリスクがあります。
一方、定期借家契約であれば、契約期間の終了により確実に明け渡しが期待できるため、計画的な不動産活用が可能です。
また、物件によっては短期間での入居を希望する層(単身赴任者や法人契約など)にも一定のニーズがあるため、条件がマッチすればスムーズに運用できるという側面もあります。
3. “知らないと危ない”落とし穴とは
ただし、定期借家契約は制度としての自由度が高い反面、その運用にはいくつもの“落とし穴”が存在します。
まず第一に、契約が書面でなければならないという点は極めて重要です。
口頭やメールでのやり取りでは無効とされ、通常の普通借家契約として扱われるおそれがあります。
また、契約書とは別に「定期借家であることを明示する書面」を交付しなければならず、これを怠ると契約の効力自体が否定されることもあるため注意が必要です。
次に、契約終了の通知義務にも注意が必要です。
定期借家契約では、契約期間の満了時に退去してもらうためには、原則として、貸主から借主へ「1年前から6か月前までの間に」終了を通知する必要があります。
この通知を怠ると、「そんなつもりはなかった」「まだ住めると思っていた」と入居者に言われてしまい、トラブルの原因になることがあります。
さらに、再契約を前提にしてしまうと、定期借家の意味が失われるという点も見落とされがちです。
一部のオーナーは、「とりあえず2年の定期借家で、その後は再契約で」と考えることがありますが、実際には再契約を繰り返すと“実質的に更新可能な契約”とみなされるリスクがあります。
このような形での運用は、のちにトラブルになりやすいため、慎重に検討する必要があります。
4. 契約時の説明不足がトラブルを招く
定期借家契約は、オーナー側に有利な仕組みである分、借主側にとっては注意が必要な契約でもあります。
しかし実際には、「定期借家とは何か」という説明が十分にされないまま契約が結ばれてしまい、借主が「更新できると思っていた」「まさか出なきゃいけないとは思わなかった」と困惑する事例も珍しくありません。
とくに、不動産会社に契約業務を任せている場合でも、オーナーとして内容を正しく理解し、借主にも納得してもらえるような説明がされているかを確認しておくことが重要です。
説明不足のまま契約を結び、あとで争いになると、最終的にオーナー側が不利になる可能性も否定できません。
5. まとめ
定期借家契約は、「一定期間だけ貸したい」というオーナーのニーズに非常にマッチする制度です。
契約終了による確実な明け渡しが期待できる点は、大きな魅力といえるでしょう。
しかしその反面、契約時の書面交付、終了通知、再契約の扱いなど、守るべきルールを一つでも怠ると、契約自体が無効となるリスクがあります。
また、借主にとっても通常の契約とは異なる点が多いため、オーナー自身がしっかりと制度を理解し、借主にも丁寧な説明を行うことが、信頼関係を築く上で欠かせません。
定期借家契約は「便利そうだから」と安易に導入するのではなく、制度の背景や注意点まで踏まえた上で、賃貸経営の一つの選択肢としてうまく活用していくことが大切です。
不動産経営に関するご相談がある方や、不動産相続でお困りの方、賃貸物件をお探しの方も、お気軽にワンダーランドにご相談ください。
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