退去費用トラブルを防ぐ。原状回復の基準とは?
不動産・相続について勉強中の、ワンダーランドMAIMAIです。
賃貸物件に住んだ後、退去する時にこのような経験はありませんか?
「原状回復でこんな金額を計算されるとは思わなかった」
「自分で壊した覚えがないのに」
といった声はよく聞きます。
原状回復は賃貸の退去時には欠かせない問題ですが、どこまでが賃借人の負担になり、どこからがオーナーの負担なのか、この基準を知らないとうまく解決できません。
本ブログでは、原状回復の基準やトラブル防止のために知っておくべきポイントについて解説します。
1.原状回復とは?
原状回復とは、賃貸物件を退去する際に、物件を入居時の状態に戻すことを意味します。
ただし、この「状態」は日常生活に伴う通常損耗や経年劣化を含みません。
国土交通省が策定した「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」に基づくと、次のように明確に区分されています。
賃借人が負担すべきもの
不適切な使用や故意・過失による損傷
(例:壁に開けた穴、ペットによる壁紙やフローリングへの引っかき傷)
オーナーが負担すべきもの
通常の使用による損耗や経年劣化
(例:日焼けによる壁紙の変色、家具の設置によるフローリングのへこみ)
このガイドラインは、双方が合意できる基準を提供し、不必要なトラブルを未然に防ぐことを目的としています。
2.よくある原状回復のトラブル例
原状回復についての知識不足や認識の違いから、トラブルが発生することがあります。
1.短期の入居にもかかわらず高額な費用を請求される
入居して半年程度しか経っていないにもかかわらず、「壁紙の全張り替え」や「床の全面補修」といった高額な費用を請求されることがあります。
これらは、本来賃借人が通常使用の範囲内で発生したものであればオーナーが負担すべきものであり、過剰請求には注意が必要です。
ただし、契約内容によっては短期退去に対する“短期違約金”が設定されている場合があります。
これは、オーナー(貸主)が早期退去による家賃収入の減少などの不利益を被るのを避けるためのもので、契約の特約条項として明示されているケースが多いです。
短期違約金は「原状回復費用」とは別のものであるため、退去前に契約書や重要事項説明書でその有無や金額をしっかり確認しておきましょう。
2.クリーニング費用が過剰に計上される
退去時に必要な清掃費用について、「通常清掃費」と「特別清掃費」の区別が曖昧なケースがあります。
特別清掃費は、ペットの飼育や喫煙、過度の汚れなど、一般的な使用以上の負担が発生したときに請求されるものです。
通常の生活で生じる汚れに対して過度のクリーニング費用が請求されるのであれば、不当な可能性があります。
さらに、契約によっては入居時にクリーニング費用を前払いしている場合もあるため、退去時に二重で請求されないように契約書を再確認することが大切です。
3.修繕費用の内訳が不明確
請求書の内容が曖昧で、どの部分にどのような費用がかかったのかが明確でない場合、賃借人は不信感を抱きがちです。
特に高額な修繕項目がある場合は、どの箇所をどのように修繕するのか、その費用はどのように算出されたのかをしっかり確認しましょう。
不明点があれば管理会社やオーナーに問い合わせ、納得できる回答を得ることが重要です。
3.トラブルを防ぐためのポイント
原状回復に関するトラブルを防ぐためには、まず入居時に写真や動画などで室内の状態を記録し、壁紙や床、設備などの状態が分かるようにしておくことが肝要です。
これによって、退去時に不要な費用を請求された場合でも、客観的な証拠として状況を示しやすくなります。
また、賃貸借契約書には「通常損耗」の取り扱いやクリーニング費用・修繕費用の負担に関する特約事項など、原状回復に直結する重要な情報が記載されているため、確認し不明な点は事前に解消しておく必要があります。
さらに、国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」では基本的な指針を示しているので、請求内容が妥当かどうかを判断する際に参考にすることができます。
オーナーや管理会社と意見が対立した場合でもガイドラインをもとに話し合うことで、より公正な解決策を見いだすことが可能になります。
4.管理会社やオーナーと適切に交渉する
請求に疑問がある場合は、感情的にならず冷静に対応しましょう。
修繕費用の内訳や必要性について具体的な説明を求め、納得のいく形で解決を目指します。
5.まとめ
原状回復は賃貸物件を退去する際に避けては通れない手続きですが、その基準を正しく理解することでトラブルを未然に防ぐことが大切です。
特に、日常生活で発生する通常損耗と、賃借人の過失による損傷の区別を明確にしておくことが重要です。
入居時の記録や契約書の確認、ガイドラインの活用を通じて、退去時のトラブルを最小限に抑えましょう。
賃貸物件での安心できる生活をサポートするために、適切な知識を身につけておくことが大切です。
不動産に関するご相談がある方や、賃貸物件をお探しの方、そして賃貸不動産管理でお困りの方や、不動産相続でお困りの方も、お気軽にワンダーランドにご相談ください。
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